徒然草
 

■第二百四十二段

とこしなへに違順ヰじゆんに使はるゝことは、ひとへに苦楽 らくのためなり。楽らくと言ふは、このあいすることなり。これを求むること、む時なし。楽欲げうよくする所、一つにはなり。名に二種にしゆあり。行跡かうせき才芸さいげいとのほまれなり。二つには色欲しきよく、三つにはあぢはひなり。万よろづの願ひ、この三つにはかず。これ、顛倒てんだうさうより起りて、若干そこばくわづらひあり。求めざらんににはかじ。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月