徒然草
 

■第二百二十四段

陰陽師有宗入道おんやうじありむねにふだう、鎌倉よりのぼりて、 たづねまうで来りしが、先づさし入りて、「この庭のいたすらに広きこと、あさましく、あるべからぬことなり。道を知る者は、うることをつと。細道ほそみち一つ残して、みな皆、はたけに作り給へ」といさめ侍りき。

まことに、少しの地をもいたづらに置かんことは、やくなきことなり。食ふ物・薬種やくしゆなど植ゑ置くべし。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月