徒然草
「建治・弘安の比は、祭の日の放免 の附物に、異様なる紺の布四五反にて馬を作りて、尾・髪には燈心をして、蜘蛛の網書きたる水干に附けて、歌の心など言ひて渡りしこと、常に見及び侍りしなども、興ありてしたる心地にてこそ侍りしか」と、老いたる道志どもの、今日も語り侍るなり。
この比は、附物、年を送りて、過差殊の外
になりて、万の重き物を多く附けて、左右の袖を人に持たせて、自らは鉾をだに持たず、息づき、苦しむ有様、いと見苦し。
松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。
変更箇所
ルビ付きHTMLファイルに変換
ルビをカタカナからひらがなに変更
行間処理(行間180%)
段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月