徒然草
 

■第二百十三段

御前ごぜん火炉くわろに火を置く時は、火箸ひばししてはさむことなし。土器かはらけよりただちに移すべし。されば、ころび落ちぬやうに心得て、炭をむべきなり。

八幡やはた御幸ごかうに、供奉ぐぶの人、浄衣じやうえを着て、手にて炭をさゝれければ、或有職あるいうしよくの人、「白き物を着たる日は、火箸を用ゐる、苦しからず」と申されけり。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月