徒然草
経文などの紐を結ふに、上下よりたすきに交へて、二筋の中よりわなの頭を横様に引き出すことは、常のことなり。さやうにしたるをば、華厳院弘舜僧正、解きて直させけり。「これは、この比様 のことなり。いとにくし。うるはしくは、たゞ、くるくると巻きて、上より下へ、わなの先を挟むべし」と申されけり。
古き人にて、かやうのこと知れる人になん侍りける。
松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。
変更箇所
ルビ付きHTMLファイルに変換
ルビをカタカナからひらがなに変更
行間処理(行間180%)
段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月