徒然草
 

■第二百五段

比叡山ひえのやま、大師勧請だいしくわんじやう起請きしやうといふことは、慈恵僧正じヱそうじやう書き始め給ひけるなり。起請文といふこと、法曹はうさうにはその沙汰なし。古いにしへの聖代、すべて、起請文につきて行はるゝ政まつりごとはなきを、近代、このこと流布るふしたるなり。

また、法令はふりやうには、水火にけがれを立てず。入物いれもの には穢れあるべし。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月