徒然草
 

■第二百三段

勅勘ちよくかんの所にゆき懸くる作法さほふ、今は絶えて、知れる人なし。主上しゆしやう御悩ごなう、大方、世中よのなかの騒がしき時は、五条の天神に靫を懸けらる。鞍馬くらまに靫の明神みやうじんといふも、靫懸けられたりける神なり。看督長かどのをさひたる靫をその家に懸けられぬれば、人出で入らず。このこと絶えて後、今の世には、封を著 くることになりにけり。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月