徒然草
東大寺の神輿、東寺の若宮より帰座の時、源氏の公卿参られけるに、この殿、大将にて先を追はれけるを、土御門相国、「社頭にて、警蹕いかゞ侍るべからん」と申されければ、「随身の振舞は、兵杖の家が知ることに候」とばかり答へ給ひけり。
さて、後に仰せられけるは、「この相国、北山抄 を見て、西宮の説をこそ知られざりけれ。眷属の悪鬼・悪神恐るゝ故に、神社にて、殊に先を追ふべき理あり」とぞ仰せられける。
松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。
変更箇所
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段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月