徒然草
 

■第百八十七段

よろづの道の人、たとひ不堪ふかんなりといへども、堪能かんのう非家ひかの人に並ぶ時、必ずまさることは、たゆみなくつつし みて軽々しくせぬと、ひとへに自由じいうなるとのひとしからぬなり。

芸能げいのう・所作しよさのみにあらず、大方おほかた振舞ふるまひ・心遣こころづかひも、おろかにして慎めるは、とくもと なり。巧たくみにして欲しきまゝなるは、しつの本なり。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月