徒然草
 

■第百七十四段

小鷹こたかによき犬、大鷹おほたかに使ひぬれば、小鷹にわろくなるといふ。大だいに附きせうを捨つることわり、まことにしかなり。人ことにんじ多かる中に、道をたのしぶより気味きみ深きはなし。これ、まことの大ことなり。一度、道を聞きて、これに志さん人、いづれのわざかすたれざらん、何ことをか営まん。愚かなる人といふとも、賢き犬の心に劣らんや。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月