徒然草
 

■第百六十六段

人間の、営み合へるわざを見るに、春の日に雪仏ゆきぼとけを作りて、そのために金銀・珠玉しゆぎよくの飾りをいとなみ、だうを建てんとするに似たり。そのかまへを待ちて、よく安置あんぢしてんや。人の命 いのちありと見るほども、したより消ゆること雪の如くなるうちに、営み待つこと甚だ多し。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月