徒然草
門に額懸くるを「打つ」と言ふは、よからぬにや。勘解由小路二品禅門は、「額懸くる」とのたまひき。「見物の桟敷打つ」も、よからぬにや。「平張
打つ」などは、常のことなり。「桟敷構ふる」など言ふべし。「護摩焚く」と言ふも、わろし。「修する」「護摩する」など言ふなり。「行法も、法の字を清みて言ふ、わろし。濁りて言ふ」と、清閑寺僧正仰せられき。常に言ふことに、かゝることのみ多し。
松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。
変更箇所
ルビ付きHTMLファイルに変換
ルビをカタカナからひらがなに変更
行間処理(行間180%)
段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月