徒然草
 

■第百五十八段

「盃さかづきの底を捨つることは、いかゞ心得たる」と、ある人の尋ねさせ給ひしに、「凝当ぎやうだうと申し侍れば、底にりたるを捨つるにや候ふらん」と申し侍りしかば、「さにはあらず。魚道ぎよだうなり。流れを残して、口のきたる所をすすぐなり」とぞおほせられし。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月