徒然草
 

■第百二十段

からの物は、くすりの外は、みななくともこと欠くまじ。書ふみどもは、この国に多く広まりぬれば、書きも写してん。唐土舟もろこしぶねの、たやすからぬ道に、無用むようの物どものみ取り積みて、所狭ところせく渡しもて来る、いと愚かなり。

「遠き物を宝とせず」とも、また、「得難えがたたからたふと まず」とも、ふみにも侍るとかや。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月