徒然草
 

■第百十段

双六すごろく上手じやうずといひし人に、その手立てだてを問ひ侍りしかば、「勝たんと打つべからず。負けじと打つべきなり。いづれの手か疾 く負けぬべきと案じて、その手を使はずして、一目ひとめなりともおそく負くべき手につくべし」と言ふ。

道を知れるをしへ、身ををさめ、国をたもたん道も、またしかなり。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月