徒然草
堀川相国は、美男のたのしき人にて、そのこととなく過差を好み給ひけり。御子基俊卿を大理になして、庁務行はれけるに、庁屋の唐櫃見苦しとて、めでたく作り改めらるべき由仰せられけるに、この唐櫃は、上古より伝はりて、その始めを知らず、数百年を経たり。累代の公物、古弊をもちて規模とす。たやすく改められ難き由、故実の諸官等申しければ、そのこと止みにけり。
松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。
変更箇所
ルビ付きHTMLファイルに変換
ルビをカタカナからひらがなに変更
行間処理(行間180%)
段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月