徒然草
 

■第六十一段

御産ごさんの時、こしき落すことは、定まれることにあらず。御胞衣おんえなとゞこほる時のまじなひなり。とゞこほらせ給はねば、このことなし。

下ざまよりこと起りて、させる本説ほんぜつなし。大原の里の甑を召すなり。古き宝蔵ほうざうの絵に、いやしき人の子産みたる所に、甑落したるを書きたり。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月