徒然草

■第四十八段

光親卿みちつかのきやう、院の最勝講奉行さいしようかうぶぎようしてさぶらひけるを、御前ごぜんへ召されて、供御くごを出だされて食はせられけり。さて、食ひ散らしたる衝重ついがさね御簾みすうちへさし入れて、まかり出でにけり。女房、「あなきたな。誰にとれとてか」など申しはれければ、「有職いうしよくの振舞、やんごとなきことなり」と、返々かへすがへす感ぜさせ給ひけるとぞ。










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月