徒然草
「久しくおとづれぬ比ころ、いかばかり恨うらむらんと、我が怠おこたり思ひ知られて、言葉ことのはなき心地するに、女の方かたより、『仕丁じちやうやある。ひとり』など言ひおこせたるこそ、ありがたく、うれしけれ。さる心ざましたる人ぞよき」と人の申し侍はんべりし、さもあるべきことなり。