徒然草

■第二十四段

斎宮さいぐうの、野宮ののみやにおはしますありさまこそ、やさしく、面白きことの限りとは覚えしか。「きやう」「ほとけ」などみて、「なかご」「染紙そめがみ」など言ふなるもをかし。

すべて、神のやしろこそ、捨て難く、なまめかしきものなれや。ものりたる森のけしきもただならぬに、玉垣たまがきしわたして、さかき木綿ゆふけたるなど、いみじからぬかは。ことにをかしきは、伊勢・賀茂かも春日かすが・平野・住吉すみよし三輪みわ貴布禰きぶね・吉田・大原野おほはらの松尾まつのを梅宮うめのみや










松田史生氏が作成したテキストファイルを、岡島昭浩氏が手を加え、さらに江口聡氏がHTML化したファイルを以下のように変更しました。

変更箇所
  ルビ付きHTMLファイルに変換
  ルビをカタカナからひらがなに変更
  行間処理(行間180%)
  段落処理(形式段落ごとに<P>タグ追加、段落冒頭の一字下げを一行下げに変更)
変更作業:里実福太朗
変更終了:平成13年10月