Web文書作成法

平成14年 7月  里実福太朗

ebページの文書が読みやすいとは、 形式面でどういう要件を満たしている場合なのだろうか。 次に、考えられるいくつかの点を示してみる。

 
1.行間
Webページの文章は、行間が全くないベタの形で書かれていることが多い。 短い文章であれば読みにくさは感じても、最後まで読み通すことはさほど困難ではない。 しかし長い文章になると、途中で投げ出してしまうか、斜めに拾い読みするか、 あるいはもう最初から読む意欲も失せてしまうことにもなってしまう。 Webページの文章が読みにくい原因は、この行間がないことにある。

例:行間なし
  111111111111111111111111
  222222222222222222222222
  333333333333333333333333

例:行間あり
  111111111111111111111111
  222222222222222222222222
  333333333333333333333333

適切な行間の幅は、字の大きさによって変わってくる。 また、読む人の主観にも左右されるので、行間の幅をどの程度にするかということは、 なかなか難しい問題である。里実工房では、以下のような行間を設けて、 Web文章を作成することにしている。ただし、読み手が、 Webページのソースプログラムに手を加えることで、行間は簡単に変更できる。 里実工房の基準は示すが、それにとらわれることなく、 読者諸氏がご自分で読みやすい行間を見つけ出していただくのが一番良いと思う。 これは、印刷された文書にはないWeb文書の優れた特質だと思う

 ▼行間設定の基準   1行の幅×(60〜80)%

 
2.段落
Webページの文章に限らず印刷された文書でも同様であるが、 段落の設け方も読み易さに関わる重要な要素である。

段落は文章構成要素の一つであり、内容の面で統一されているべきものである。原則的には、一つの段落では一つの事柄について述べる、という記述の仕方が望ましいとされている。段落に分けて書くということは、文章表現の基本中の基本である。

文章作法では、一般的に段落の冒頭は一字下げると定められている。このような約束事はいつ頃誰によって規定されたのだろうか。明治以後であることは、間違いのないところであろうが、私たちはそんなことに疑問を持つことなく、その約束事に従っている。明治以前は、段落意識を持って書く、ということもなかったであろうと思われる。古くは巻物という形態であり、そこにはページという概念さえも存在せず、紙の続く限り延々と続いた。

Webページは、巻物と似た性質を持つ。もちろんページという単位は存在するが、メモリ容量・ディスク容量が許す範囲内で、そのページはいくらでも長くできる。それは巻物のように延々と続いてゆく。ただ、読み易さ、ページの読み込み時間等に配慮して、極端に長いページは避けるべきであるが。

このようにWebページは巻物状に続くので、書物等とはページという概念が大きく異なる。従ってWebぺージでは、書物以上に段落を意識して書くことが大切なこととなる。 また、書物等との違いを生かすために、今までの表記上の約束事に縛られることなく、Webページ独自の約束事を考えなければならない。改行一字下げにしてもそうである。文章作法としてはすでに認められている方法ではあるが、それはあくまでも書物形態の中で有効性を持つものであって、Webページの場合は話が変わってくる。

そこで、試案として次の何点かを示してみる

 ▼段落設定の基準
  ○段落と段落の間は1行あける。
  ○段落の冒頭は一字下げしない。
   (1字下げではなく、1行開けで改段を明示する。)

 
3.1行の文字数

印字された活字は、もちろんのことだが、読み手の好みによって文字の大きさを調節することはできない。しかしWebページの文字の大きさは、ブラウザの設定を変更することで調節可能である。小さな文字が苦手な人でも、ブラウザの文字設定を大きくすれば、読みやすくなる。

このように読み手側の意志で、表示文字の大きさを変更できるのは、すばらしいことではあるが、その一方困ったことも起こってくる。

例1:強制的に改行した場合
111111111111111111111111111111111111111111111111
22222222222222222222222222222
例2:強制的に改行した場合(文字の拡大)
111111111111111111111111111111111111111111111111
22222222222222222222222222222

強制的に改行した場合は、例2のように文字を大きくして表示すると、意図しないところで改行が発生して、本来一行で表示されるべきところが、複数行に亘ってしまうことも生じる。読み手が、どの程度の大きさで文字を表示するのか分からない以上、改行はしないほうがよい。ブラウザが文字の大きさ画面の大きさに従って、自動的に改行するのに任せた方がよい。

このようにブラウザの文字設定によって、1行の文字数は変わってくるのだから、Webページでは、1行の文字数は指定しようがない。段落内では、強制的に改行して各行の文字数をそろえることはできない。従って次のような方法を採ることとなる。

 ▼1行の文字数は指定せず、段落内の強制改行は行わない。